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院長の部屋

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脳卒中について

脳卒中とは

脳卒中は脳の血管がつまったり、やぶれたりして起こる脳の血管の病気です。脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などがあり、多くは脳に損傷を生じ、後遺症が残って、要介護となる確率が最も高い病気です。

半身が動かない、しゃべれない、食べられない、意識が障害されるなどの後遺症が生じ、介護が必要になることが多く、ご本人、ご家族の負担が大きい病気です。

まず大切なことは早期発見

急に言葉がおかしい、半身が動かない、めまいが治らない、激しい頭痛、意識が悪くなるなどの症状が典型ですが、後遺症がもともとある患者さまはいずれかの方向に傾く、食欲がない、いつもと様子が違うなど、発見が難しい場合も少なくありません。

図1は、発症4.5時間以内に搬送された血栓溶解療法の新たな治療法です。国立循環器病センターの豊田先生らと研究しました。寝たきりになる人は減らせるものの、まだ重度後遺症:mRS4-5の方が少なくありません。先進医療を駆使しても脳に関しては後遺症が残るのが現状です。

図1

ケア、生活習慣病管理、抗血栓療法による予防

脳卒中の中で、出血する脳出血と梗塞では予防のお薬はちがいますが、共通して重要なことは後遺症に対するケア、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの管理です。

図2は脳卒中を予防するのに最適な血圧はどのくらいかを、東京女子医大の北川教授らとまとめた研究成果です。68歳くらいまでですと、やはり収縮期は120台に下げたほうが再発は少ないことが分かりました。
しかし、訪問診療で診察させていただく、85歳、90歳の高齢者の最適な血圧はまた、異なると思われます。すなわち、これまでの研究で考えられていなかった85歳以上の患者さまをどのように管理していくかはまだ医学的に答えがないところです。このような数値では測れないものを、その人にとっての幸せは何かを考えながら、管理していく。それが訪問診療と考えます。

図2

原則、月2回の診察

脳卒中後遺症の方は肺炎、食べられない、膀胱炎、便秘、褥瘡、浮腫、脱水などを生じやすいため、原則、月に2回診察し、予防、および早期に施設、在宅環境で治療してまいります。

後遺症に対する理解と家族支援

今まで普通に歩いていた人が、歩けない、しゃべれない状態となった喪失感は図り知れないものがあります。怒りっぽくなったり、逆に意欲が出ないというのも無理はありません。麻痺を完治させることはできないかもしれませんが、ご本人、ご家族の心境への共感と、それを踏まえたケアを実践していくことは可能と考えています。

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