現在使用しているテンプレートファイル:single-blog.php

院長の部屋

院長の部屋

がんについて

在宅でのがん治療にあたり

現代は二人に一人は、がんになるといわれております。依然、死亡原因の一位ですが、近年の治療の進歩は目覚ましく、がんの種類にもよりますが、ここ5年、10年の生存率は向上し、さらに治癒例も期待できる時代になりました。
がん治療の手術や初期の化学/放射線治療は入院治療が必要ですが、退院後、在宅での維持療法の段階に入ると、私たちががん主治医と連携し支援してまいります。
予後の厳しい方には、疼痛緩和、発熱、食事等の対応はもとより、何より患者さまご自身の意思を尊重し、ご家族との触れ合いを大切に診療をすすめてまいります。

がんを克服した後の血管障害の管理について

人口の高齢化に伴い、脳卒中、認知症、がんの方は増加していきます。その際の特徴は、皆さん「一個」の病気ではないということです。複数の病気を有している方がほとんどです。がんも治癒を望める時代になりました。いわゆる「がんサバイバー」の方がまた日常の生活に戻れるようになりました。
しかし、がんを克服した後、生じる病気はなんでしょうか。それは、血管系の病気です。抗がん剤、放射線治療にて血管の内側の内皮細胞が障害され、冠動脈疾患、脳梗塞、下肢動静脈の閉塞症などが生じやすいのです。

これは、近年、腫瘍循環器学として近年、注目され学会も立ち上がっております。がんを見ていくうえで、今後は血管障害の管理が必要になるということです。
これらは、2016年になりますが、第41回日本脳卒中学会におけるシンポジウム1『抗凝固療法の新展開~理論と実践に基づいたDOAC(NOAC)選択』、あるいは『The 7th Antiarrhythmic Therapy Summit July. 13(Fri)2018』にて発表を行っており、がんになりその後、脳卒中になった方を診察しています。
進行がんや、すい臓がんの方は、トルーソー症候群といって、がん細胞が、血液の固まる、あるいは、溶かすバランスが崩れてしまった状態になり、余命は依然短いですが、そのほかのがんにおいて、がん専門医とうまく連携がとれ脳卒中を起こさずに5年以上通院していただいている方もいらっしゃいます。図1はそういった方の生存曲線を表します。

がん、脳卒中、認知症、心疾患、フレイルなどをトータルで見ていくことが、いま求められており、そのような認識が、在宅訪問診療に求められていると考えます。

(図1)

トップへ戻る